「GX実現に向けた基本方針」に向けた意見

北海道再生可能エネルギー振興機構は、「GX実現に向けた基本方針」に向けて

再生可能エネルギーによる地域活性化の視点から以下の意見を表明します。

◆意見のPDFは【こちらをクリック】

「地域が主導する再生可能エネルギーに対して集中的支援を」

2023年1月21日

  一般社団法人北海道再生可能エネルギー振興機構


 一般社団法人北海道再生可能エネルギー振興機構は北海道内への再生可能エネルギー(以下、再エネ)普及の支援を目的としており、道内全179自治体のうち61の自治体会員と、合わせて30の企業と個人会員が参加している会員組織です。


 昨年12月22日、岸田政権はグリーン・トランスフォーメーション(GX)実行会議において「GX実現に向けた基本方針~今後10年を見据えたロードマップ~(GX基本方針)」をまとめました。

 現在、気候危機が深刻化するとともに、ロシアのウクライナ侵攻などによる世界的なエネルギー危機のなか、世界では安全保障の観点からも再エネの転換を加速させています。GX基本方針では、「脱炭素先行地域」の選定を通じて地域の取り組みを支援するとありましたが、全国に再エネを増やしていく為には、地域の理解と共生が必須であり、その為には、地域を活性化させ、地域課題の解決となるような、地域と共存する再エネ導入への適切な施策と仕組みが必要であり、これをGX投資で促進する政策的集中支援が重要となります。また、市民出資の活用など再エネ施設の近隣住民を対象とした再エネ設備に関する有利となる投資システムを創出することで、近隣住民と連携した再エネ設備の構築を推進することができます。

 EU 諸国では炭素税の導入に加えて、再生可能エネルギー電力の優先買取を導入しましたが、経済はむしろ活性化しています。日本は海外から大量の化石燃料を輸入しており、再生可能エネルギーの導入促進によって仮にエネルギー単価が上昇したとしても、海外へ流出している多額のエネルギー資金が国内で循環することとなり、経済はむしろ活性化することに目を向けるべきです。

 一方、GX基本方針では原子力発電の活用や水素・アンモニア技術開発により重きをおかれています。地域各地で固有の再エネ推進に向けた取り組みが模索され実現に向けて取り組まれているところ、ベースロード電源と位置付けられている原子力発電は、再エネの導入量を抑制し、需要量を引き下げることになりかねません。

 政府が2021年10月に閣議決定した第6次エネルギー基本計画では、「再生可能エネルギーの主力電源化」を掲げたばかりで、2030年度の再エネ割合は36-38%と十分とはいえない状況下、重要な政策転換が僅かな期間でなされたことに対して、地方の取り組みへの影響を危惧するところです。2030年度の温室効果ガス46%削減、2050年のカーボンニュートラル実現のためには、実効性のある再エネ・省エネ技術の最大限の活用が再優先です。改めて地域の声をGX基本方針に盛り込み、それを実現する法案として示してください。


◇意見募集詳細:「GX実現に向けた基本方針」に対する意見募集

【こちらをクリック】(意見・情報受付期間:2022年12月23日~2023年1月22日)

「GX実現に向けた基本方針」に向けた意見(北海道再生可能エネルギー振興機構).pdf