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石狩湾新港の将来を語るシンポジウム

石狩湾新港地域の将来を語るシンポジウム
〜 地域資源活用による経済活性化に向けて 〜 

再生可能エネルギーを含め、石狩湾新港地区の望ましい 将来像をマクロな視点で描くとともに、この地域が持つ資 源や特徴を地域経済の活性化や地域企業のメリットへ結 びつけていくことの重要性について認識を深めます。 

【日 時】 平成25年3月12日(火)13時30分〜15時00分
【場 所】 TKP札幌カンファレンスセンター(札幌市中央区北三条西3丁目1-6)
【内 容】  パネルディスカッション
      近久 武美 氏 (北海道大学大学院工学研究院教授)
      川合 紀章 氏 (国土交通省北海道局参事官)
      鈴木  亨 氏 (北海道再生可能エネルギー振興機構理事長)

左から鈴木理事長、川合氏、近久氏

【パネルディスカッション記録】

鈴木
お待たせいたしました、それでは早速今からパネルディスカッションを進めていきたいと思います。今日は石狩湾新港地域がテーマという事で、最初に国交省の川合さんの方から、簡単な自己紹介とこの地域に対する川合さんなりのお考えをお聞かせいただけたらと思います。よろしくお願いします。

川合
それでは改めまして、国土交通省北海道局で参事官をしております川合と申します。よろしくお願いいたします。初めに自己紹介をということですけれども、参事官という仕事は何をやっているのかというのは必ず訊かれるものですから、ちょっと今日のシンポジウムにも関係していますので、少し私の仕事の紹介をさせて頂こうと思います。国土交通省北海道局とういうところは本省にある局で、私も今日東京から来ました。昔は北海道開発庁と言っていたので、そちらの方が分かりやすいかもしれませんが、北海道開発庁が国土交通省に吸収されて、国土交通本省の中に北海道局という局ができたという次第です。ここがちょっと変わった局でございまして、国土交通省の中にあって唯一ですね、国土交通省以外の仕事もしているという局でございます。北海道開発庁時代のなごりがあり、公共事業では農水省事業も行い、さらに環境省、厚生省の事業も行います。元々所管する公共事業は従来通り国土交通省として行うわけですが、北海道局だけは農水省の仕事もその他の省庁の公共事業もやっているという変わった局でございます。その関係もあり、私の本来の仕事は北海道総合開発計画の企画、立案、推進というのが仕事なのですけども、所管の公共事業以外も北海道開発総合開発計画の推進という名のもとに、国土交通省にありながら、私のところでエネルギー行政だとか産業政策あるいは観光政策といった非公共事業のソフト政策の企画立案までは私のところでやるということになっています。実際公共事業以外の予算の執行のお金は持っていませんので、例えばエネルギーであれば経産省の予算で行うという具合です。ということで私の仕事は結構いろいろな事をやっており、その中の一つとして、特に最近再生可能エネルギーというのが私の大きな仕事の一つになってきたということで、再生可能エネルギー機構さんの今日のシンポジウムに呼ばれたのではないかと思います。

それから石狩湾新港との関わりというのがございました。現在参事官をしておりますけれども、私個人は北海道開発局で港湾の整備を担当していた技術屋です。特に石狩湾新港とのつきあいは長く、もう30年近く石狩湾新港の計画と整備に携わってきております。石狩湾新港の第一船入港が昭和57年でしたので、それから関ってきておりますので、ほぼ石狩湾新港と共に歩んできているというわけで、石狩湾新港については非常に良く知っております。余談ですけども、今の石狩市長の田岡市長は元々石狩湾新港管理組合の課長をされており、そのときからのつきあいでございますので、市長さんなられてからも港湾行政やあとでお話する石狩に関連した色々なエネルギー施策をやっておられていて、お話を聞く機会もあります。そうしたことも背景にあり、石狩湾新港と再生可能エネルギーというテーマの今回のシンポジウムにお招きいただいたものと理解しています。

石狩湾新港についてですが、その位置付けについて、簡単に私の方から触れさせて頂きたいと思います。話は少し変わりますが、人口100万人以上の政令指定都市は全国に11あります。そのなかで港を持っていない市が2つだけあるのですが、それがどこかと言いますと、実は札幌市と埼玉市だけなのです。大都市の成長にあたっては、やはり港が重要なのです。やはり大都市への膨大な消費物資もあり、物流がいかに安くその土地に入るかということが都市の成長として非常に重要なわけですが、人口190万の札幌市は港を持っていません。もう一つは埼玉市だけでございます。あとはみんな港を持って、貨物、物流の出し入れの中で都市の発達をしてきた。その港のない札幌市にとって石狩湾新港というところは非常に重要な港ということになります。先ほど言った昭和57年に第一船入港という新しい港ではありますが、札幌市の中心地から15kmの距離、本来政令指定都市に必要な港、その札幌市の港として機能しているということです。実は名称も一時期、札幌港に変えようかという動きもあって、今でもそういう運動もあるように聞いています。そういう意味で、大消費地の札幌市に接した重要な港であるということがいえると思います。このことはこれから話す再生可能エネルギーの利用に非常に重要で、その背後に大量の電力を消費する、電力需要の大きな大都市を控えているというこが石狩湾新港の1つのメリットということがいえると思います。後ほど詳しくお話しします。

それでは引き続き再生可能エネルギーの話をさせて頂きます。仕事上、先ほど申し上げたように北海道全体の再生可能エネルギーをやっていることもあり、石狩湾新港の優位性をお話しするためにも北海道全体の再生可能エネルギーの現状と課題を少しお話させて頂きたいというふうに思います。ちょうど良い資料が配られていたのですけど、この再生可能エネルギー振興機構のパンフレットを開いて1ページ目に「北海道はエネルギー資源の宝庫」というところを今ちょうど見たので、これを使わせてもらおうと思います。ここに書かれている通りで、ここにあるのは北海道全体の再生可能エネルギーのポテンシャルを表しているグラフですけれども、北海道は全国で太陽光も風力も1・2位を争うポテンシャルがあるということです。ここに宝庫と書いてありますが、宝としてはあるのですけど、御承知かもしれませんが、どちらかというと「宝の持ち腐れ」という状況になっております。これまでも、これだけ巨大な再生可能エネルギーのポテンシャルがありながらなかなか使えなかったという事実があります。なぜ使えなかったかというと、これも皆さんは御承知かもしれませんが、再生可能エネルギーを電力にするためには非常にコストがかかるということで、元々北海道にはポテンシャルはあるわけですが、それを電力にするにはコストがかかるために、なかなかこれを実際にエネルギーとして活用できていないという問題がございました。ところが、3.11の東日本大震災と福島原発事故が起こったことで再生可能エネルギーが見直され、24年7月から再生可能エネルギーの固定価格買取制度というのが出来、太陽光なんかは1kWh(キロワットアワー)42円で買ってくれるという非常に高い値段がついたことで、去年からこういった再生可能エネルギーを事業者が固定価格買取制度にのって事業化をするというのが増えました。なかでも道外企業は北海道にこれだけのポテンシャルがあることを放っておかず、メガソーラー規模の太陽光発電については一気に事業化の動きが出てきたわけです。ようやく宝の持ち腐れが解消したかと言いますと、実は依然として宝の持ち腐れでございます。北海道でなかなかこういった巨大な再生可能エネルギーが使えない大きな理由が2つあります。我々行政としても、それをなんとかしなきゃいけないということで動いております。

1つは、ポテンシャルはありながら元々北海道の電力の需要量が少ないとういことです。北海道全体の総需要電力量のピークが579万kWであり、北海道全体で大雑把に600万kWのニーズしかないわけです。ここの資料4億とか書いてありますが、エネルギーのポテンシャルは実は何億ベースなのですけど、北海道で消費できるエネルギーが600万kWしかない。比較しますと解りやすいので、東京電力の総需要量がいくらかっていうと6,000万kWです。ということで北海道の10倍、北海道は東京電力管内の1/10しかない需要がないということで、エネルギーのポテンシャルはあっても需要量が少ないという事実があります。更に付け加えると、実はこの資料の表にある陸上風力は1億4000万kWのポテンシャルとあります。これは5.5m/sec以上の風が吹く北海道の陸上の総計だと思いますが、5.5m以上の風が平均風速で吹くっていうのはだいたい風力発電が成り立つと考えられており、全部で1億4000万kWということです。しかし、北海道は600万ですから当然すべて使えないわけですし、実際この1億4000万すべてを使えるかっていうとそれも実はそうではないのです。例えばこの風力の中でも一番採算性のありそうな風速は8.5m/secですが、そこの電気量合計で392万kWぐらいあります。これは相当現実的な数字です。北海道は600万kWなので392万なら使えるだろうと考えますが、ところが違うのです。この再生可能エネルギーというのは変動成分があるため、600万の北海道電力ではこの変動成分がある風力発電は全部受けられないわけです。このような経緯で、今北電さんが受け入れようとしているのは600万に対して36万kWが風力発電について受入可能と、たったの6%、それ以上風力が要素に入っちゃうと系統に悪影響を与える、変動成分が強すぎるという事で36万kWとなっています。1億以上ものポテンシャルがあるのに結局36万kWしか使えない。だから宝がいっぱいあっても、なかなか絶対量として使える量は少ないというのが現状です。

それならば、北海道の10倍ある東京電力の6,000万kWにもっていくとすれば、同じ割合だとするなら392万全部吸い取れるはずだということで、北海道で使うのではなくて、北海道のエネルギーを東京で使うようにまわしたらどうだっていう考え方もあります。実際今北電さんがやられているのは、その39万しか受けられないものに対して、36万プラス20万。20万は東京電力に使ってもらうことで合わせて56万Kwの受け入れを今検討中です。20万は系統連系と言いまして、東京へ送るのに青函間にあります北本連系という電力線を通して使うことによって、その北海道の600万に悪さをしないように、6,000万の大きい中で吸い込んでもらえるということです。それならば、「北本連系をもっと大きくすれば良いじゃないか、東京は6,000万もあるのだから」となるのですが、実はここにも問題があります。北本連携といわれる北海道と本州を繋ぐ線は今60万kWしかありません。30万が2本、そこの容量がないために送電量を増やせない。東京にどんどん持っていけば確かに使えるわけですが、持っていけない。そこで、今20万のプラスアルファで検討しているところです。北海道で600万に対して使える風力っていうのはこれだけ量があっても使えるのは36万であり、1億4000万に対しては0.2%程度です。392万としても1/10程度しか使えてないという事で、せっかく再生可能エネルギーの宝庫といってもなかなか北海道の需要が小さいということで、一生懸命、固定価格買取制度で電力化しても使えないという問題があります。だから、これだけポテンシャルがあるにも拘わらず、使えないという結果になっています。固定買取制度を使って、どんどん太陽光も電力になっていますが、制限があり多くは受けられません。そういうわけで、日本で有数の宝庫なのですが、今説明した系統が大きな問題となっています。

もう1つ問題があります。それは道内の送電線の問題です。具体的には多くの再生可能エネルギーが賦存する地域とエネルギーを消費する地域が離れているということです。先ほど北海道と東京が離れていて繋ぐ北本連系の問題がありましたが、もう1つは北海道の中でも離れているということです。風の非常に強い地域っていう場所のほとんどは日本海側の道北です。先ほど御説明した8.5m/sec以上の強い風力が吹くところです。あとは道東の一部とか襟裳岬とか、岬のようなところです。岬のような先端部分は風力エネルギーの高いところが多いわけです。太陽光も、十勝、オホーツク、道東や日高から胆振にかけてであり、そこが太陽光発電の可能性のある地域です。ところが、それらの地域には送電線がないのです。なぜでしょうか。北海道は今まで電力を出すところは、泊であり、苫小牧であり、道央で、あと空知であり、多くは北海道の中央部に発電源がありました。稚内や道東地域はエネルギーを大量に消費する産業が少なく送電線網としては末端ですから、多くは小さい送電線しか整備されていない。ところが、再生可能エネルギーはそれらの地域が生み出す、発電場所になったということです。そこから出そうとしても電線が毛細血管しか行ってないものですから送り込めないのです。これだけのポテンシャルがある地域から電力の需要地である札幌あるいは東京へ、先にご説明した北本連系という問題があり、さらに道内送電線網の問題、これらにより、これだけのポテンシャルがあっても使えないというわけで、なかなか宝の持ち腐れから脱することができないのが現状なのです。固定価格買取制度が出来ても難しい状況に変化はなく、我々行政としても、それではせっかく宝庫なのにもったいない話になっていますので、送電線網の整備というのを行政でやっていくことになりました。風力発電では稚内とか留萌は非常に良いということで、今回国は全国で2か所だけ、北海道北部地域、稚内、留萌周辺と青森、秋田にかけて、送電線網整備費を国が補助するという制度を経産省が25年から要求し、250億円がつきました。全体では3000億くらいになります。これは先ほど説明した辺地にある電気を需要地である札幌に持ってくる送電線網がないので、それをまず持ってきて使おうという行政的な手配がひとつです。それから、もう1つが北本連系です。絶対量からみれば、北海道では使い切れないわけで、6,000万kWの需要量がある東京で使う。これは先ほどの風力発電の390万などは全部吸い取れる量です。だから、その北本連系の60万を増強すればかなりそっちで使うということができる。ここは今60万しかないわけですが、これも30万を増やし90万にしようと今検討がされています。

しかしながら、これらはいずれも10年くらいかかるわけです。その間、10年間もどうするんだということになります。従いまして、今我々の行政、特に北海道庁でも色々検討し、売電と並行してやっぱり地産地消が必要だという方向が出てきています。送電線網が使えるようであれば本当にすぐ宝になるわけですが、すぐには無理であれば、その間は地産地消を拡大する政策が必要であろうということで進めております。経産省さんも来年の要求で、変電所に蓄電池を造って変動成分を地域で使えるようにするという要望を、これも27億ほど要望してもらっています。北海道をかなり意識してもらっており、地域で再生可能エネルギーを少しでも使っていこうというのをまずやること、送電線網整備に10年もかかっていたのでは意味がないということで、地元消費をしたり、あるいは産業立地を促進したりするという動きがございます。

ちょっと長くなりましたが、1回目のまとめとして、今まで述べてきたような北海道の再生可能エネルギーの利用上の現況と課題がある中で、じつは石狩湾新港にはこれらの課題が少なく、良い条件に恵まれているということです。まず、石狩湾新港には再生可能エネルギーが相当存在するということです。太陽光や先ほど申し上げた風力などが道北、襟裳岬などにしかないというような説明をしましたが、道北から石狩まではかなりの風力があるのがわかっています。太陽光も道東だけのように聞こえたかもしれませんが、日本海側では唯一石狩のあたりは太陽光の可能性があるということです。そして一番石狩で可能性がある、有利な条件は何かというと、札幌にすごく近いことです。稚内にあってもなかなか今は使えない状況です。札幌という巨大需要地の近辺にこれだけの再生可能エネルギーがあるということは好立地ということにほかなりません。それともう1つは札幌という需要もありますが、すでに石狩湾新港の3000ヘクタールの用地の中に700社を超える企業が立地しています。この立地の中では特に電気を使う冷凍冷蔵庫、食品冷凍産業があり、他に電力消費型の産業もあるということで、札幌まで持ってこなくても石狩湾新港で地産地消は出来るということで、太陽光、風力のポテンシャルがある地域に比べれば、そのまま電力を使える可能性があるわけです。さっき言った北海道全体が持つ課題が少ないということで、非常に再生可能エネルギーの利用の可能性が高い地域という事が言えます。太陽光、風力だけでなく、後程詳しくお話しますが雪氷エネルギーとかもあります。あるいは最近の北ガスなどのLNG等色々期待できるエネルギーがあるとういことです。そういう観点から非常に可能性のある地域ではないかということを私の最初の発言とさせて頂きます。ちょっと長くなってすいません。


鈴木
どうもありがとうございます。北海道は再生可能エネルギーの宝庫ではあるが、実は宝の持ち腐れである。そういうお話でした。私の方から少々補足をさせて頂きますと、先ほど電力消費量500万kW云々、北海道管内の今の風力発電というと56万kW、その内20万は東京電力に持って行って吸収してもらっているという構造です。電力というのは人口とほぼ同じような量があるわけですけども、例えば北海道は今約550万人で、同じくらいのサイズの国というのは、これもよく自然エネルギーで出てくるデンマークです。デンマークは540万人の人口の国です。面積は1/2ですが、だいたい消費量というサイズで言えば同じくらいです。風力発電を例にとってみると、北海道は今36万、これからは56万。デンマークの場合は今もうすでに340万を超えて、洋上風力が今非常に増えていますので、まもなく400万kWぐらいになろうとしています。どうしてこれほど違うのか?これは送電線ネットワークの違いと川合さんの話もあったわけですが、国のほうで新年度260億円の予算をつけた道北地域の送電線は、稚内、留萌、オホーツクの一部にあたり、これらが全部出来上ると、経済産業省の試算によると北海道で370万kWの風力発電が可能であるというような試算が出ており、今の既存量と合計すると約400万kWになります。ほぼデンマークに匹敵するような風力発電の量が出来るということになります。これらからも送電線、これは非常に重要な課題です。北海道はこれが大きなボトルネックになっておりますので、これをいかに早く解決するかが大きな課題だと思います。すいません、長々と喋ってしましましたけど、続きまして、近久先生、自己紹介を兼ねて、石狩あるいは再生可能エネルギーに関するお考えをお聞かせ頂きたいと思います。


近久
北海道大学工学部でエネルギー関連の研究をしております近久と申します。研究分野をもう少し詳しくいうと燃料電池あるいはコージェネレーションのネットワークというような研究をやっております。北海道の現状ですが、冬には暖房としてどんどん石油を焚く生活スタイルなわけですが、その石油代はどこにいっているのかと言うと、ほとんどすべてが中東などの海外に流れているわけです。そこで私は、今後は化石燃料を購入して海外にどんどんお金をたれ流しするのではなく、再生可能エネルギーを中心としたエネルギーインフラを地域で作りながら、それによって生み出された再生可能エネルギーを地域で消費していくようにすることによって、ただ単に海外に流れていたお金を地域の雇用にまわせると主張しております。通常、「コスト」というものは消費者目線で捉えており、コストは「安い方が良い、高いのはよろしくない」となるわけです。しかし、私は最近コストを考える場合は「雇用」という視点を常に意識しています。例えば、こういう仕組みというのは雇用を増やせるのだろうかとかですね。そういう視点でものを考えると、少々エネルギーコストが高くてもそれが地域でお金がまわっているのであればかまわないという考え方をしております。そうすると再生可能エネルギーというものを、我々はもっと普及させられるのではないかと考えております。では石狩はどうなのですか?というと、皆さんも考えられるように、エネルギーと物流の拠点になりうるだろうと思います。

ただ、川合さんの先ほどのお話や鈴木さんのお話の中で、私としては少し補足が必要、あるいは多少違うかなと思うところは、北海道というのは600万kWの需要に対して変動があるから30万くらいしか入らないという話なわけですけれども、何かおかしいという疑問がわきます。それは、化石燃料を焚いて燃やしているのなら、その分を少なくしてもっともっと自然エネルギーを増やして、化石燃料側で変動を吸収すれば良いじゃないか、どうして50万kWくらいで頭打ちにさせるの?と思うわけです。既存の発電所と送電網はもう十分あるわけです。今我々が必要な分を供給するだけの設備があるので、さらにバックアップのための設備を増やす必要はありません。したがって、入る限りの自然エネルギーを増やし、その分既存設備の稼働を抑えることで、需給バランスは調整可能です。具体的には北電が持っている発電所の稼働率を落として、その分自然エネルギーを入れていくことは可能なはずだということになるわけです。ただし、そうすることは北海道電力にとってのメリットはないわけですですから、この分のメリットをどう双方で共有・配分するかという仕組みを考えていく必要があります。稼働率を落とすといことは減価償却が進んでいる設備を使わないということになりますので、それは非常に贅沢なコスト高な使い方になってしまいます。しかし、メリットの分配を適切に行うことができるならば、北海道電力と協調しながら既存インフラをバックアップとして使い、自然エネルギーをもっと増やすことは可能だろうと考えます。本州との連系を増強して風力で作った余剰電力をどんどん本州まで送るというのは、これはものすごいインフラ投資のお金がかかるし、送電ロスが生じるわけですから、そんな巨額の事業をするよりも、設備稼働率を北電が少しだけ落とし、その落とした分の北電の損失に多少のお金の補填が可能ならば、巨額投資をしないで出来るわけですね。どうしても既存の枠内で考えてしまうので、そこから抜けられない発想になっているのかなと思って聞いておりました。そのくらいの発言で、一旦やめさせていただきます。


鈴木
ありがとうございました。だんだん面白くなってきましたね。今、発想を変えて工夫をすれば北海道でも、もっと入るのでは、というような近久先生のお話がありました。川合さんの感想はどうですか。


川合
先ほど変動成分のこともあり、風力が36万、太陽光が40から60万、私も担当なので北電さんから色々聞いてなんとかもうちょっと上がらないかと、先生と同じ考えで北電さんと御相談しています。色々な問題はあるのでしょうけども、そこはそこで工夫して少しでも上げてもらうっていうのは私も賛成なのですが、さっき言った本州に送るにはインフラにコストがかかるという話は、私の考えは少し違いまして、北海道の再生可能エネルギーは莫大なエネルギーの宝庫ですから桁が違い、億の単位のエネルギーが存在しているわけです。北電がどう頑張っても600万程度なわけですが、仮に全部を再生エネルギーでまかなっても、それはあり得ないにしても、もしそうしても実際はもっともっと再生可能エネルギーがあるわけです。しかし内地にはそんな賦存量はないのです。従って、私はこれを逆に本州に売ればいいと思うのです。北海道は昔石炭を内地に売って日本の高度成長を支え、それで北海道はある程度成長したっていう思いがあります。その後食糧などで日本を支えようとしているわけですが、今これから北海道が売るものは「再生可能エネルギー」であり、その時代が来たと思っているわけです。北海道にこれだけある億単位の再生可能エネルギーが内地はそんなにないのです。これを逆に北海道の商品として、北海道の金を稼ぐ。先ほど地域の雇用に関して、近久先生がおっしゃいましたけど、再生可能エネルギー事業を北海道全体としての産業としても十分いけるのではないかなと考えています。これから原子力等の問題がどうなるか予測できないが、いずれにしても今後の日本にとって再生可能エネルギーっていうのは非常に重要なエネルギー源であり、その材料が北海道にありあまるほどあるということは事実です。北海道がそんなに使っても600万が限度であれば、これだけの北海道に賦存するポテンシャルがある再生可能エネルギーを電力化して内地に売って金を稼ぐのが一つ北海道の産業として確立ができると考えているわけです。北本連系にも60万増強し、90万にする。私はそれでも生ぬるいと思っております。これからもう少し周辺の可能性を検討して、北海道の産業として昔の石炭産業のように、今後北海道の再生可能エネルギーが日本を支えることを期待しています。


鈴木
はい、ありがとうございます。私は先ほど近久先生のお話頂いたところでもっともなところがあると思っています。現在で東京電力管内に送らないという前提で36万kW、送るとすれば56万、これだけです。北海道電力は、お正月とかゴールデンウイーク等の需要の少ないとき、皆さんが寝静まっていて電気を使わない時間帯に泊原子力発電所1,2,3号機でベース電源を造っています。他に流れ込み式水力発電というものもあります。その上に火力発電所です。火力発電は止めることがでず、常にアイドリングしなくてはならないので、必ず動いています。そのような状態で風力発電で風がいっぱい吹いて回ったときに“下げしろ”のところに食い込み、周波数が乱れて不安定化するので入らない、というのが理由です。そこで、解決策の一番手っ取り早いやり方は、1年のなかでお正月とかゴールデンウイーク、皆さんが寝静まって電気を使わない時に、風力発電の出力を抑制すれば良いのです。例えば1000kWの風車でも、ピッチ制御といい、回転を抑制する事が出来るので、出力を下げることが出来ます。それを全体でやればもっともっと入るはずです。実際に36万、56万どころか、ピッチ制御をするだけで300万kWぐらいの風力を現状の系統の送電線の運用の中でも入る、という意見もあります。従って、まずはピッチ制御をやりつつ、一方で限界がいずれ訪れることを見越して、将来に向けたインフラとしての送電線を整備・強化を同時並行で進めて行く必要があるのではないかと思います。

もう一点申し上げまると、3.11の影響もあり、北海道電力の売上は、2011年度上期は大変好成績でした。前年比113%くらいだったと思います。原因は、東北電力が電気不足のためのどんどん売電した結果です。ところが、売上総利益とかあるいは経常利益は、赤字でマイナスでした。何故か?それは石油、石炭をいっぱい買ってきて沢山焚いたから燃料代がかさんだ、という理由です。そうであれば、宝庫である北海道の自然エネルギーの太陽光や風力発電をたくさん作り、それを本州にたくさん売る。先ほど川合さんがおっしゃったことです。自然エネルギー源自体の原価は化石燃料と違いただですから、非常に儲かるはずです。日本には10の電力会社あるわけで、これだけのポテンシャルを利用して大消費地に電気を売れば、もっとも経営効率の良い儲かる電力会社になり、北電はその可能性が高いと私は考えています。北電が儲かるイコール道民の利益ということで、これから色々と考えていかなくてはならないことであり、お二人の話を聞いてそんなことを感じました。近久さん、どうですかね?


近久
その通りだと思います。ただ先ほども言いましたように全体のお金だけで考えるとそうなのですが、実際にそれで儲かっているのは誰なのか、というところを考えないといけないわけです。風力発電を造った人が儲かる一方、北電はそれでは儲からないとなると、トータルで北海道にメリットがあるとしても、北電は自分の系統に流してくれるな、ということになるわけです。したがって、北電も共に儲かる仕組みを考えないと、現実にこういうものはなかなか上手くいかないわけですが、そこが一番難しいところでもあります。原子力等の話を含めて多くの場合、電力会社が常に悪者にされます。「何故もっと自然エネルギーを買わないのか?」、こういう言い方をされます。しかし、通常のビジネスを考えると当たり前です。理由は儲からないからです。損をしてビジネスは出来ません。北海道電力も一緒に儲けられるしくみを共に考えて行かなければ、こういうものは進まないのだと、常にそう思っています。北海道電力と我々道民が対峙し争うのではなくて、一緒に儲けましょう、一緒に道民のビジネスを作り雇用を作っていきましょう、という気持ちでその方向を目指すことが、私はこれから一番重要な部分ではないかと思っております。


鈴木
ありがとうございます。この話題は延々と議論続いてしまいそうですので、一旦ここで今のお話は区切らせて頂き、石狩というところに話を戻していきたいと思います。先ほど川合さんの方から、石狩はエネルギーや電力などで非常にマイナス要因が少ない、非常に有利なポジションにあるというお話がありました。これをうまく生かしながら、石狩地域をどのようにしていけばよいか、川合さんのお考えをお聞かせ下さい。


川合
それでは石狩の話に戻し、まず先ほども申しましたように石狩湾新港には、風力、太陽光等の再生可能エネルギーはかなりポテンシャルがあり、大需要地もあり、今議論になりはじめた地産地消としての地域としても使えるということで、これはどんどんやってもらえば良いと思います。先ほど冒頭で鈴木さんが言われたように、もうすでに石狩で5本ぐらいの風車とさらなる建設計画もあります。太陽光の今の固定買取制度の申請では日本海側ではダントツで石狩が上がってきております。それはどんどんやってもらって、先ほど申し上げた地の利を生かしてもらえれば良いと思っています。

そこでですが、私今日は是非石狩で一番これを進めてもらいたいと思っていますのが、「冷熱エネルギー」なんです。雪氷エネルギー等も含んだ冷熱エネルギーについてちょっと石狩湾新港でかなり可能性があるのではないかということでお話をさせて頂こうかと思っております。私は実は別にライフワークとして、雪氷冷熱の利用を15年くらいやってきています。これは個人的な部分がかなりあるのですが、雪の利用については相当いろんなことをやっています。雪は言ってみるとやっかいものです。今年も雪がすごく多くて皆さんも困っているということで、それではこれをなんとかやっかいものから利雪(りせつ)に、という話をずっとやってきました。先ほど高度成長期の北海道は石炭で儲かったという話で「黒いダイヤ」だったわけですが、私は次こそ「白いダイヤ」だということで、雪で儲けるというふうに思っています。特に今年の3月に国土交通省の所管なのですけど、豪雪特措法改正を行い、初めて雪氷エネルギーの利用促進という項目をいれた次第です。そういうことで、雪氷エネルギーも再生可能エネルギーの中の一つとして使って行こうということでございます。

雪の特性ですが、これは道北の電気と同じところがあり、運ぶとコストがダメで、その場で地産地消をしないとコスト的にペイしないという特性があります。まったく違う仕事で北海道から氷を東京へ運ぶプロジェクトをやっておりましたが、色々な条件がありコスト的に成り立つから行ったわけで、一般的には邪道です。雪は地産地消が原則であり、その場で使わなければいけないということで、雪のあるところに企業を誘致しなくてはいけないわけです。皆さんも御承知のように石狩湾新港では去年11月にさくらインターネットという大阪の大きなITの会社がデータセンターを設置いたしました。これは将来に向けて国内最大級のデータセンターを設置するということで、石狩湾新港に来てくれたものです。これは石狩市さんの懸命な誘致活動があったわけですが、決め手の一つはやはりその石狩の冷涼な気候でした。最初の第一期は2棟建ち、現在のは外気導入型を採用し、北海道の冷たい冷気を導入して電力を落とすという方法です。データセンターという業態は4割が電子機器を冷却するための冷房の消費電力であり、その電力が軽減できればかなりコストダウンが期待できるということで、将来もっと拡張する予定です。これは外気導入方式ですが、将来は石狩湾新港にある豊富な雪氷、雪のエネルギーを使うことを検討したいということで、私も直接相談受け、どうやったらコストが下がるかっていうような相談にのっています。このように石狩に大量にあるやっかいものの雪が、電力を使わずにそのまま冷やせば良いわけということで、非常に貴重なエネルギーになり得るということです。こういった電気消費型の産業はさくらインターネットだけではなく、他にも非常に可能性があると考えられますので、今後はいわゆる地産地消の再生可能エネルギーである雪のあるところに企業に来てもらうということも可能という事例です。非常に企業誘致としてはアドバンテージがあるのではないかと考えており、これを進めて頂きたいというのが1つです。

それから、もう一点冷熱の関係ですが、冒頭に鈴木理事長が石狩湾新港は物流の拠点という話がございました。先ほどライフワークで雪氷冷熱をやっているとお話しましたが、実はライフワークで雪氷冷熱を使って農産品を貯蔵し輸送する仕事をやっております。では何故やっているかというと話が長くなるので飛ばしますが、北海道の物流は非常にまずい物流になっている現状があります。夏に北海道へ内地からフェリーで来るトラックは、東京側からは満杯で来るわけですが、帰りは空です。北海道には製造業が少ないので、荷として出すものがなく、帰りは空っぽの状態です。帰りが空ということは運賃が二倍かかっているということになります。ところが、秋に北海道から本州に行くトラックは満杯であり、満杯どころか荷が多すぎて増車をかけている場合もあります。特別増車の運賃は二倍かかっています。このような馬鹿な物流が行われているため、北海道の物流はいつまでたってもコストが下がらず、尚更製造業が育たないということを何十年も続けてきているっていう話を何度もさせて頂いています。なぜこのようなことが起きるかといえば、秋に農産品が集中するためです。普段は農産品を出さないものだから空で帰し、秋だけいっぺんに出してしまい、それで物流代は高くなる、さらにはいっぺんに出すために市場価格が下がる。自分たちで大量に出して値段を安くして売っているのです。北海道から品物がでない時期は値段が高く、2倍くらいとうこともある。高いときに北海道から出さないで、収穫期に大量に出して安く売っているということで、農業としても自らビジネスチャンスをなくしているようなものです。北海道の農産品の出荷時期を管理して、北海道で平準化して出せと言いたくなるわけです。例えば、雪氷利用の倉庫に入れて時期を見て出すことで、物流も助かり、そもそも自分たちが儲かるという話です。事実、内地に送った芋は内地の倉庫で保管され、出荷時期の調整をしているわけです。芋は秋にしか食べないということはあり得ないわけです。同じような話ですが、農産品だけではなく、水産品も一緒です。豊漁貧乏ということが言われることがありますが、秋にサンマがいっぱい獲れると一匹10円で売られることもあります。ひどいときは売れないから捨てたらという話があったりする。この魚も同じなので、収穫時期にいっぺんに北海道から出して、市場の価格を落として売っているわけです。これも農産品と同じように平準化すれば良いのです。魚は生のほうが良いと思われているかもしれませんが、サンマとか鮮魚は生で送るより特殊な冷凍をして送った方がずっと新鮮なのです。瞬間冷凍をすれば、融かすと生に戻るのです。生で送ったら途中で傷みますから、本当は瞬間冷凍がベストです。最近ようやく理解してくれましたが、10年前にはだれも信用してくれませんでした。ところが、外国は信用してくれました。余談ですが、10年前EUではヨーロッパの中では生の魚禁止になり、一度冷凍したものでなければ食してはならないと、EU全体に指令が出て、大混乱を起こしました。当時私はその冷凍技術を持っており、冷凍技術をEUの大使館から外電で教えてくれということもありました。冷凍のほうが良いことを外国の方が先に知っていたということです。それは急速冷凍で昔からあった方式で、窒素冷凍なのでポーンとマイナス70度にしますと水は結晶化しないので細胞傷めないので、融かしても傷がつかない、言ってみるとパウダースノーみたいなもので、元に戻るという仕組みです。これには金がかかっていたので、10年前に私がハマナスさんとかと検討し、大変エネルギーコストが安く、その従来型の窒素式の1/10から1/30のコスト、機械も安いものを開発してそれを実用化しました。それを実際に販路に乗せ、魚を漁の時期に取ったやつを保存し、時期を調整して出す。何も安い時に出荷しなくてもいいわけですよ。いつでも新鮮なものが、どの時期でも出せるということをやっていました。そうする事によって、物流が平準化し、魚も農産品も、みんな儲かる、高付加価値化になるという事をやっています。この冷凍の技術というのは、実はどこでやっていたかっていうと、石狩湾新港が本拠地なのです。皆さんどなたも知らないかもしれませんが、石狩湾新港のYG物流というところで、そこが最初に導入してくれました。そこで今もその冷凍機を造った井筒社長の研究拠点になっていまして、10年前当時日本冷凍学会の皆が見学会に来るほどの聖地だったのです。そして、この技術のすごいところは、逆にすごい欠点でもあることなのですが、それは外気温が低くないとその機械は動かないといものです。内地では使えないのです。これは欠点ではなくて、アドバンテージなのです。北海道でしか使えないという、大きなアドバンテージなのです。ですから石狩でなければと、さっきの雪と同じように使えないのです。その機械は内地で使えないっていう欠点であり、メリットなのです。石狩にはすでに冷凍冷蔵庫の集積があります。もうかなり集積があって、最近少しその地位を苫小牧に脅かされておりますけども、その地で今のような例えば日本海側の水産品を冷凍保存し、それを物流基地として、石狩あるいは小樽から、石狩からは韓国などアジアにコンテナが通じています。今アジアで日本の魚の評判はすごいものがあります。韓国は北海道のスケソウダラの生が欲しくて、陸送で下関まで運び、運賃を10倍かけて輸出されているわけです。冷凍技術の良さがわかってないため、冷凍ものはいやがっています。仮に、冷凍で送ったら1/10の輸送費で済みますので、ものすごく儲かるということです。従って、アジアにも非常にその水産品の可能性があるので、石狩でその冷凍技術あるいは冷凍集積をもとにそういった事業をやり、冷凍の食品、農水産品の配分基地にすると、相手は石狩湾新港からのアジアであり、それから小樽からは関西に出ています。さすがに、太平洋側、苫小牧側からかなりがっちりと航路は出来ていますが、小樽からは関西に向けたフェリー航路がありますから、そういった北海道の農水産品を高付加価値化した上で、いつの時期でも物流を平準化、安くなるような平準化をし、さらに高い値段で売れるというようなシステムの配分基地になりうるのが石狩湾新港でございまして、そこには既存の技術があり既存の集積があるというわけですから、是非そういった北海道農水産品の供給基地として、冷熱の利用という事を考えながら考えていって頂きたいと思っています。

特に最近LNGが、先ほど言ったように北ガスさんが昨年LNG基地を完成させました。それから北電さんも平成31年に向けてLNGの発電基地の稼働を今検討中でございます。非常にLNGの冷熱の活用が出来るという事で、LNGが来たら今の冷凍は不要になります。いっぺんで液体窒素が出来ますから、大量に出来ます。小口は今のFLRって機械を使ってもらえば良いのでしょうけども、もうそういうようにかなりその冷凍としての北海道の得意な農水産品の配分基地になるんじゃないかなという可能性がありますので、そういったものを使いながら少し地域の発展を考えて頂きたいなというふうに思っています。


鈴木
ありがとうございます。非常に面白い話ですね。本当に、冷熱エネルギー、今年本当に雪が多くて、なんでこんなに降るのだろうと思って、もうやっかいだったわけですけども、本当に、雪それから冷熱エネルギーを利用して、物流それからIT、こういったものの事業機会があり、しかも非常に有利な地域性であると、たいへんおもしろい話をきく事が出来ました。ありがとうございます。近久先生、この石狩というところLNGの話も出ましたけど、そういった事も含めて今後どうしていったら良いかという話をお聞かせ頂ければと思います。


近久
まず、冷熱の話がありましたけれども、LNGコンバインド発電等もこれから出来る予定であり、一方で排熱というのも出てくるわけですね。ですから熱には温熱・冷熱というものがあり、それを何とか利用したいとゆう事になるわけです。そうしますと、やはりそれを想定した工場群の配置をしっかり今から計画して、どうゆうような工場配置にしていくと温熱および冷熱の利用を効率よくできるか、しっかり考えた計画というのが一つ必要になると思います。一方、電気というのは、北電所有の系統を利用することになるはずです。そこをネットワークとして利用可能になりますと余剰電力は電線を通してネットワーク化出来ますので、どこに工場群が配置されていてもかまわないわけです。そういう意味では配置の計画は楽になるのですけれども、温熱、冷熱をしっかり利用しようとすると、今から適当に工場を建てて下さいというのではダメで、熱利用を見越したしっかりとした計画が必要と思っています。

話をちょっと変えますが、だいたいこういう都市計画の話をすると、この先どんどん発展する、人が増える、というイメージで考えがちです。しかし、これからは少子化、人口減少の時代に入るわけです。それを想定して街づくりをしないといけません。その視点から考えると、札幌もどんどん人口が減るというふうに今想定されています。そして「コンパクトシティー」という考え方が出てきており、札幌の中にも中核的な拠点を幾つか作って、そこに人を集めていこうというような都市計画が検討されています。そうしますと、石狩市がどんどん人口がのびていくというシナリオにはならないわけです。その点も想定した都市計画、むしろ石狩市も人口がどんどん減っていくのだという事を想定しながら、街づくりをする必要があると思います。その場合であっても、私の目から見ますとやっぱり石狩というのはエネルギーと物流が魅力であり、それらを核とした拠点、工場群もあると思いますし、そういった地帯になるのではないかと想像します。その場合には、札幌に住居を持って石狩に通勤するようなパターンの生活スタイルになると思うわけです。そうしますと、特に今ときどき吹雪があったりして、通勤が吹雪で大丈夫なのかと心配になったりします。でも、そういう時代は10年20年先の話ですから、もう車の自動操縦というものが普及している時代になるのではないかと思います。吹雪で前が見えなくても、吹き溜まりさえないようにしてくれれば安全に車は動く時代になるのだということも想定して将来像を考えて行ってはどうでしょうか。


鈴木
ありがとうございます。遠隔操作で動く車、というようなイメージなのかなと思いました。非常におもしろい発想だと思います。近久先生ですね今、街づくりあるいは、その最初の方で工場立地のレイアウト、配置ということで、効率の良い配置の話もあったりしています。一方では、特にこの3.11以降、今までの大規模な集中型の電源から分散型へいこうという流れが国のほうでも非常に推し進められています。実はガスなんかだとその前の年2010年くらいから、天然ガス利用ということの促進を閣議決定で決めているわけです。その後に3.11が起きてしまったということから、さらに加速させていて、電力だと今その電力システム改革というのが議論されています。この中身っていうのは皆さんもよく新聞やテレビで見出し等ご覧になっているかと思いますけども、幾つかありますけども大きな柱としては発送電を分離していくというのがひとつ。これは法的分離という形で分けてしまう。つまり発電と小売り部門は規制を緩和して参入を促進させる。一方で送電線インフラのところだけは公的なインフラとして更に国の監視の元に規制を強めて行く、まあこういう流れですよね。もう一つの柱として電力の自由化、つまり家庭部門までっていうのが自由化っていうのが流れとしてあります。こういった流れは、今までの電気事業者、電気事業法、ガス事業者、ガス事業法、いままでの業法に基づいた縦割りの流れから、これからは例えば電力会社がガスを売っていたりするわけですが、エネルギー産業として相互乗り入れというような形で進んで行くだろうと、そのポイントとなるのはやっぱりその需要サイド、消費する側がそういったものを一方的に受けるのではなくて自分たちがコントロールして行く。発電のしくみも分散型で色んなところでこういくわけです。例えばガスということではコージェネレーションがあります。これもいままでは1,000kW以上でしか取引市場には出せなかったのですけども、去年の6月18日からは分散型グリーンエネルギー取引市場っていうのがもうすでに動いていて、そうすると小さなビルとか、あるいは場合によっては家庭用の太陽光発電とか、あるいはそのコージェネレーション燃料電池とかエネファームとか北ガスさんが出していますけども、こんなようなものが市場に出し、または自分のところで消費する。まあこういういわゆる最近のはやり言葉で言うと、スマートな仕組みというのが、すでに市場の整理がされ始めています。その中で、近久先生、ごめんなさい話長くなっちゃっているのですけども、今後、スマートコミュニティとか、スマートシティーとか、それにとって石狩っていうのは非常に良いポジションだなあと私は思っているのですけども、いかがでしょうか、寒冷地という特色をふまえてですね、ちょっとお考えお聞かせ頂けたらなと思います。


近久
分散電源の話ですが、コージェネレーションといって、例えば家庭用も今開発されていますが、冷蔵庫くらいの大きさのものを家の中あるいは外に設置し、そこに都市ガスを供給すると電気も出てくるし熱も出てくるようなシステムであり、効率が非常に良いわけです。これは特に排熱を十分に利用するという事が効率向上のために重要で、北国は熱需要が多いですからまさに北国に適したシステムなわけです。ところが、このコージェネレーションが本当に能力を発揮するには、熱需要の多いところに設置し、余った電気をどこかで利用してもらうという仕組みが重要です。どうするかっていうと系統に逆潮させてほかの必要なところで電気を使ってくださいというような仕組みにするわけで、それがなければ能力の半分しか出せないのです。それでは、そうしたシステムをどうやったら実現出来るのかというと、北海道電力の系統を利用するわけですから、そのコージェネレーションを普及させることが北海道電力にとって非常にプラスになる仕組みにしないと成立しないわけです。そこが非常に重要で、私どもはその辺のメリット配分法について研究したいと思っています。今コージェネレーションが何故普及しないのかといいますと、ガス会社が一生懸命普及しようとしているからです。ガス会社は自分のガスがどんどん売れますから、コージェネレーションを普及させたい、売りたいということになるわけです。そうするとどうなるかというと余剰電力は電力会社が買わないといけなくなり、買うと電力会社の電気が売れなくなるわけで、電力会社としては損するわけです。ですから、系統に逆潮するのはやめて下さいというルールになるわけです。そうすると、先ほど言ったようにコージェネレーションのメリットというのはぐっと減るわけです。そういう意味でガス会社が一生懸命コージェネレーションを普及させようというのは、はっきり言うとこれは普及しません。従って、ガス会社ではなくて電力会社がコージェネレーションを普及する仕組みにしなければいけないのだと思います。電力会社が設置したコジェネに必要なガスをガス会社から買うようにしますと、ガス会社と電力会社がWin-Winになるわけですね。そうするとWin-Winというのはだれか損した人がいるでしょうという話になるわけです。それが住民なのですかっていうことになるのです。実際に住民は今までと同じか、もしくはもうちょっと高いエネルギー代を払う事になるかもしれません。しかし、これは皆のWinだと僕は思っているのです。何故かというと、我々住民が支出しているエネルギー代っていうのは、今は海外に流れ出ているわけです。それが地域内でお金がまわるようになると、雇用の増大が生じ、自分自身じゃないかもしれないのですが、誰かの雇用の増大に繋がっていくわけです。そうしますと、市民にも雇用という形でメリットが戻って来るということではないかと理解しています。ですから、市民もWin-Winだし、電力会社もWin、ガス会社もWinということが僕は可能だと思うのですね。その為にはどうしたら良いのだというと、今の仕組みじゃ出来ないのです。電気事業法とかいろんな縛りがありますからね。 

先ほど発送電分離の話がたまたま鈴木さんから出ましたけれども、私は発送電分離には反対なのです。特に北海道には適していない。先ほど言ったようなWin-Winの形で電力会社がそういうものをビジネスにして行くためには、発送電分離のような形で電力会社に負荷やデメリットを押しつけるようなやり方ではうまくいかないだろうと私は思っています。発送電分離を北海道で行うとどんな事になるかというと、そりゃもう効率なんて問題じゃなくて安けりゃ良いのだ、安けりゃ電気を買いますよという事に送電会社はなるわけですね。すなわち、CO2をどんどん出しているとか、効率のわるいところで作ったとしても安けりゃ買うわけです。そうなると自然エネルギーっていうのは、僕は入ってこないのではないかと思うのです。テレビやなんかで一般に言われているのは、発送電分離をすると風力発電などの自然エネルギーをどんどん自由に繋げますよと言っているのですが、僕は逆に入らなくなるだろうと思っています。更に発送電分離では需要の大きな都市部に近いところで発電する業者はメリットを受けますが、基本的に地方切り捨てになると思います。地方っていうのはエネルギーを遠くまで送らないといけないですから、採算が合わないわけです。そこに誰が電力を生産して送るのですかという事ですね。そうすると、これは非常に厳しい条件なわけで、そんなところに誰も事業参加しませんということになるわけです。そういうわけで、発送電分離が今日本の中で騒がれていますけれども、私は北海道には適していないなというふうに思っています。

じゃあ北海道に適した仕組みは何かというと、今はないのですけど、さっき言ったようにコージェネレーションのような分散電源を普及させ、電力会社もWinになるし、ガス会社もWinになる、我々市民も長い目でみるとWinになるという仕組みを提案していかないといけないと考えています。今提案出来るのですかと言われると、それはちょっと解りませんが、北海道を例えば特区というような形にして既存の規制からの縛りから緩めてもらい、独自なやり方を進めていかないといけないのではないかと、個人的に思っています。以上です。


鈴木
どうもありがとうございます。だんだんこういう大きなところも話になってきたわけですけども、ちょっと今、近久先生からコージェネレーションと話が出ました。今、国のほうでもですね、30年代の構成どうするのかという議論をずっと去年からやっています。色んな選択肢が出されていますけども、共通しているのは、再生可能エネルギーで約3割。これをやろうという事は基本的に今安倍政権に今引き継いでいる。もう1つは15%、これは何かというと、これはコージェネレーションですね。従って、いずれにしても相性の問題も含めて、私はやはり再生可能エネルギーとコージェネレーション、つまり効率利用、これはやってかないといけないのだなと思っています。そういう意味でもこの石狩っていうのは、なんとも一番いいポジションだなあというふうに、個人的に常々思っています。そんな事も含めて、最後の締めくくりになりますけども、川合さん、この石狩ですね、今後のビジョンと言いますか、こんな絵を書いたら面白いのではないかということを含めて、もうちょっとお話お願い出来ますか。



川合
はい、ちょっと話は変わるのですけども、皆さん今年の元旦の北海道新聞の一面を覚えておられるでしょうかね。道新さんの元旦の記事の一面というのは必ず夢のあることを書かれるのです。一面に華々しく載ったのは石狩湾新港の超電導直流送電の実験というのが今年の一月一日の道新の一面です。私も一面に昔載った事あるのですけど、雪氷で記事になりかけたことがありまして、今はエネルギー系の記事がよく載るようです。これは何かっていいますと、石狩湾新港で今進められているプロジェクトです。実は今年24年の補正予算で経産省で25億円ぐらい付けた大プロジェクトになっているので、多分石狩湾新港で大丈夫だと思うのですけども。補正も通りましたし、予算は認められていますから、これからだと思います。これは、石狩湾新港で太陽だとか風力で発電するわけですが、太陽光等で発電したものは交流じゃなくて直流電流になります。大型の風車も直流で入って来るのですね。その直流を、そのまま交流に変換しないで電線で運ぶ試みで、石狩湾新港の再生可能エネルギーで出来た直流電流を、そのまま先ほどお話したさくらラインターネットだとか冷凍冷蔵庫でも良いですけども、地域の大型消費電力の産業に運んで行くときの電線を超電導といいまして、LNGの冷熱でおもいきり冷やすとほとんど抵抗がゼロになってしまうので送電ロスが無くなるということになります。コストで言うと、送電損失でいうと1/5くらいになる、というような事を今取り組んでいるということで、もう24年補正予算は付きましたから多分これから動くと思います。一月一日は予想記事で、これから付きそうだという記事だったのです。これ何が凄いっていうと、一番凄いのは、私はその技術の問題ではなくて、いわゆる地域の再生可能エネルギーを使ってそれとデータセンターだとか冷凍冷蔵庫に使う、その間も地域のLNGという冷熱を使うという地域の資源、産業を総合的に組合せて効率の良いシステムを造ると、地域の材料を全部フル活用してなんとか効率の良い電力商品にしようという、その技術云々ではなくて組み合わせだと思うのです。ということで、非常にその地域の資源をうまく活用した形の構想じゃないかなと思っています。これ自体がどうのこうのではなくて、そういう組み合わせを考えて行くっていうのは非常に重要なんじゃないかなと思っています。先ほど私がいいました冷凍食品の基地、これも同じなのです。実はすでに立地している冷凍冷蔵庫、かなりの集積があります。石狩には札幌に匹敵するだけの量の冷凍庫が今あるのかな、かなりの集積があります。それとさっき言った新しい冷蔵技術、これは地域の産業が持っている技術なのです。それから地域の冷涼な気候、寒くないと使えないという冷蔵庫、あるいはさっき言った同じようなLNGの冷熱、地域の持つエネルギー、それを使って既存の産業を助けてですね、さらにそれを使うためには、さっき言った石狩湾新港だとか、あるいは小樽港だとかの港湾といった既存の社会インフラ、道路もそうです、そういった既存のインフラも含めてですね、地域の全ての資源を総動員することによって、非常にこの地域の価値を高められるという事が重要なことなのじゃないかなと思っています。

単に地域の再生可能エネルギー、風力と太陽光、雪氷だとか再生可能エネルギーといったエネルギー利用だけを考えるのではなくて、今申し上げたように、地域の冷涼な気候だとか、大需要地に隣接という地理的条件、それから石狩湾新港に立地する企業の集積だとか技術、それから道路港湾といった社会資本、こういった石狩湾新港が持つありとあらゆる資源、あるいは財産、機能などを活用することで石狩湾新港の経済活性化が促せるのではないかなと考えています。今日の公演のサブタイトルは地域資源活用による経済活性化に向けてという事で、私としてはせっかく石狩湾新港にそういった地の利だとか気候だとか企業集積だとか社会資本だとかそういった地域資源がいっぱいあるのですから、それを単に再生可能エネルギーっていう事だけではなくて、そういった再生可能エネルギーが道央地区で稀にみるポテンシャルがあるところでございますので、そう言った全てのものを組み合わせて総動員して、石狩湾新港の未来に繋げていかなければというふうに思っているところです。


鈴木
ありがとうございます。じゃあ近久先生今後の石狩地域のビジョンをお話お願いいたします。


近久
だいたい言ったような気がしますが、まとめますと人口が減少し始めるとことを想定した街づくりをしたほうが良いということです。その一方で、物流、エネルギーの拠点に加えて、工場群としてのポテンシャルも高いわけですから、そこを伸ばすことが重要です。その場合もただ単に工場を誘致するのではなくて、冷熱利用、温熱利用のために建物の配置を考えながら行っていく必要があります。電力についてはネットワークを上手く利用できるような仕組み作り、北電と協調したインフラ作りを目指し、仲良く一緒に考えて行きましょうという姿勢が重要です。言いたいのはそんなところかなと思います。それから物流という点では石狩は非常に重要な拠点になると思います。その物流部門ではきっと将来もっともっとITが導入されて効率の良い配送システムになるでしょうし、鉄道とか船との連携も、もっとスムーズになるでしょう。そんなところでしょうか。


鈴木
どうもありがとうございました。だんだん残り時間が少なくなってしまいました。そこで、ちょっと参加頂いた皆さんも聞いているばっかりだと、ちょっとフラストレーションたまるかなと思いますので、ここで質問をお受けしたいなと思っております。どなたかご質問なり、講師の先生に訊いてみたいという事があったら挙手をお願いします。じゃ、何かありましたら手を挙げて下さい。

フロアの方からご意見とか質問なかったので、ちょっとこんなこともお話したいなということがあったら、是非、川合さん、いかがですか?

川合
ちょっと冒頭に議論になったところなのですが、北海道にあまたあるこのエネルギーをどう使うかっていう議論があったのですけど、これやはりその皆さんの中でも議論頂きたいなというふうに思っています。さっき私も申し上げ、近久先生もおっしゃいましたが、あまたある再生可能エネルギーの宝庫であり、宝であるエネルギーが、誰が儲かるのかと、北電が儲かるのか、風力発電をする事業者が儲かるのか、あるいは北海道民が儲かるのかと、単純に、さっき私は余った分は内地に送って儲けりゃいいだろという話もあると言ったわけですけれども、確かにそういう儲け方もあります。実際だれが儲かるかっていうのは、色々あると思いますけど、やはり、私が最初方で申し上げた地産地消っていう話をしたのは、北海道に住む自分でせっかくあるこれだけのエネルギーを使ってどうやって使い、儲かけるかということを考えていってもらいたいということです。先ほど近久先生が雇用が大事だという話をされました。北海道では先ほど例に挙げたように一次産業で夏に農産物を出すくらいしか産業がないのです。それを乗り越えて、何とか製造業を作り、いろんな事やろうと思っても物流コストが高い。需要地から遠い、電力と同じような問題があってなかなか産業が育っていないという状況があるわけですが、せっかくこれだけある宝のエネルギーをただこれまた売るだけではなく、地域で本当に雇用に結びつけ、さっき言ったコージェネもそうでしょし、地域の本当に生活、暮らしに役立つように、どういうふうに工夫して北海道で活用するかを考えて頂ければと思います。誤解をされたら困るので言っているのですが、さっき外に売ればいいという乱暴な話をしましたが、それはそれとしてやっぱり北海道の中でこの豊富にあるエネルギーを使って、北海道の産業あるいは暮らしをどうするかということを北海道の人が考えてもらわなければいけないと思うのです。内地に売れっていう話は、内地で電力足りなくなって、原発は全部だめでどうしようもなくなったら、北海道から何とか線を引けと、いやでも内地側の人が線を造るかも知れませんしね。だけど北海道の中で、これだけの宝庫の”宝”って書いていますけど、これを本当に北海道のために利用するっていうのは北海道の人が考えないといけない事だと思うので、産業であったり暮らしであったり、さきほど先生言ったようにいかに雇用に落とすのか、誰が儲けるのかという事も含めてですね、皆さん方少し今後検討すべき事だなあというふうに思います。


鈴木
ありがとうございます。近久先生なにかございますか。


近久
そうですね、太陽光発電と言いますと、孫さんのソフトバンクがメガソーラーを造って、電気を本州にどんどん送ってしまうような事を計画したりします。ああいうのは北海道民にとってはプラスにならないですよね。ただ土地を提供しているだけで、ほとんど我々の知ったことじゃないことになってしまいます。場所だけ使われて何の関係もこちらにない。ああいうビジネスを、どんどんと広げられるのでは北海道の為にならないと思います。ですから、太陽光発電にしても我々が投資し、儲かるという仕組みにならないといけないなと、常に思ったりします。もうひとつは太陽光発電っていうのは家の屋根に付けるっていう発想なのですね、基本的には。北海道はそういう必要は全然ないと僕は思っているのです、空き地が沢山あるわけですからね。ですから、これはどこが主体になるかわかりませんけども、空き地をある程度用意して、マンションに住んでいて自分のところに屋根がないという人も、同じ権利で太陽光発電に投資できるようにするやり方があると思います。どれだけ発電したかなんていうのはすぐわかるわけですから、ちゃんとそれに対するフィードバックをしてもらえばいいわけで、いろんなやり方あるのだろうなと思います。こんなところでしょうか。


鈴木
どうもありがとうございます。今日は大変おもしろいお話をきく事が出来たかなというふうに思っております。石狩の物流、あるいはITの拠点であるということ。そこと冷熱エネルギーを含めて再生可能エネルギーっていうのは非常に可能性が高いのではないか、そういうようなお話でございました。今、近久先生からもありましたけども、やはりそのエネルギーコストっていうのは、全部所得移転しているわけですよね。主には中東です、2009年度で26兆円だったはずですから、今原子力が止まって化石燃料をたくさん焚いていますので、もっと増えているのではないかと思います。これが国内にまわれば、内需拡大になるわけですね。お話があったように雇用という視点でエネルギー考えようよというのは、私なるほど非常におもしろいお話だなあというふうに聞くことが出来ました。それで儲けるって何なのか。我々は体を出すか、お金を出すかどっちかですよね。体を出すっていうのは、働くとか工事に携わるとか色んな事があります。あとは例えば投資をするということなのです。来年度の例えば太陽光の固定価格買い取り制度の価格が昨日ようやく出てきました。40円だったのが今度36円、10kW以上の大きな規模ですけどね。一方風力のほうは22円で変わらない、こうなっています。それでもですね、コストも、工事代金も下がってきていますので、いわゆるプロジェクトIRR、経済的な指標でみると内部収益率でみるとだいたい7%とか6%というところで数字が決められているという事なのです。ですから、それだけの収益をだれが取るのか、これは非常に重要な視点かなというふうに思っています。

最後になりますが、今日のテーマである石狩地域というところは、まだ沢山土地が空いています。私も風力発電をやらしてもらっていますので、しょっちゅう行くのですけども、空いている土地がいっぱいあります。そこをうまく活用し、これからの産業、地域の活性化に是非結びついて行くような事業を皆さんで議論出来たらいいかなと思っています。今日はその第一歩という事で、引き続きこうゆう議論の場を設けて行けたらなあと、改めて思いました。という事でそろそろ時間になりましたので本日のパネルディスカッションについては終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。